小説「恍惚の人」に影響されすぎていたのか
実家に戻ってくる前は介護というと
徘徊 オムツ 昼夜逆転 暴言暴力
みたいな極端なイメージを持っていた。
でも実際には
「ごく普通の生活を普通にこなすこと」
だった気がする。
家族でなければ見過ごしてしまうほどに
少しずつ変わっていく日常。
何かの支払いが遅れたり
電話の対応が不自然だったり
届いた郵便の意味が分からなかったり
銀行の手順を忘れたり。
父も母もわずかの変化を重ねて
出来ないことが増えていった。
正確にはどれも介護ではない。
社会に照らし合わせれば
「成年後見」の分野だろう。
しかし
「制度を利用できるほど混乱はない」
これが介護のはじまり。