実家の売却手続きも済んで
いよいよ明日解体っていうときに
関係会社の社長が現場にやってきた。
車から降りてきたのは
松葉づえの痛々しい年配男性。
私はつい介護のクセで駆け寄って
腕を支えながら「大丈夫ですか」と言ってしまった。
「えっ?」
「えっ?」
お互いに一瞬びっくりして
でもすぐに笑い合って挨拶。
こちらとしてはまさか現場に
けが人が来るなんて思わなかったし
社長の方は心配されるとは
思ってもみなかったんだろう。
そんな挨拶だったせいか
その後はスムーズにスピーディーに
作業は進んでいった。