もともとはオレがオレがのタイプの父。
女房の苦労を気にも留めなくて
母はいつもキレていた。
母が病んでからは
自分の女房を病院にも入れられなくて
私をわざわざ呼び戻したのを棚に上げ
一人で全部やったんだ風に
親戚に言いふらしていたので
私はいつもキレていた。
三食あたたかい栄養バランス整った
食事が出てくるのはどうして?
部屋がいつも整っているのはどうして?
清潔な布団と衣類にくるまれているのはどうして?
日々の買い物の量と労力と気遣いと
娘の人生を消費していることに
全く何とも思ってないことにいつも腹が立った。
そんな父もようやく老いてきて
医学的には「半寝たきり」という分類に。
そのことをこの頃は自覚しているようで
先日親戚との電話では
「娘が全部やってくれてる。
もう自分では何もできないよ。助かってる」と
話しているのを聞いて溜飲が下りた。
今は亡き母に対して
「可哀そうなことをした」という
言葉さえ出てきたことがある。
長い闘いだったな。