家族写真が子どもの頃のしかないから
同じ面子でもう一度撮ろう!と旅に出る。
みんなおんなじことをするんだなと思った。
母の入院が長くなり実家処分した後に
ひそかに遺影の準備を始めた。
年相応に美しく母らしい表情の写真は
偶然にも全部私がシャッターを押したもので
選んだ一枚はのちに葬儀屋さんにも
褒められるほどであった。
ただ家族全員の写真はなかった。
唯一あったのが私がまだ幼稚園。
思い出の写真にするには
父も母も若すぎる。
私が父母を連れて温泉に泊まったり
近場までドライブというのは
割とよくあり写真も膨大にあるのだが
いつも一人足りなかった。
そしてもう一度同じ面子で写真を撮ることも
残念ながら叶わなかった。
いつもいなかった人は
そういうことにまるで興味がない。