この頃父は
アイコンタクトができるようになってきた。
言葉を見つけてしゃべるのが
面倒くさくなったのかなと
思わないでもないのだが
私の姿を目で追うようになり
独りになるのを怖がるように
なってきたところをみると
明らかに以前とは違う心の動きが
生じていると思われる。
家族や近しい人なら当たり前のこの
アイコンタクト。
12年くらいかかったなあ。
いつも目をそらし独りの世界に
閉じこもっていた父。
そのことで長年家族は傷ついて
分断も余儀なくされたが
ようやく人として自然な反応が
見えるようになった。
ともに暮らした経験をベースに
アイロニーをまぶして話しても
それが冗談だと気付いて
ちゃんと笑い合えるくらいには
家族っぽくなってきた気がする。
アイコンタクトでの会話はその
分かりやすいサイン。