父の体の状態は瞬間瞬間で変わるので
このところ食事も予測できない。
栄養剤のみの日が続いて
このまま食べられなくなるのかな
と思っていたある日。
なんとなく顔色もよく気力もあって
オーラもいつもよりは見えている。
栄養剤を飲み終えても
ちょっと物足りなさそうだったので
「プリン食べる?」
と聞いたら食べるという。
それならちょっとメニューを変えようかと
夕飯には肉を出してみる。
もちろんシルバニアファミリー用に
しゃぶしゃぶ肉を柔らかくゆで
小さなかけらをいくつか集めた程度の量。
健康な人には味見にすらならないくらい。
そのほかにもちょっとずつこまごまと
食べられるものを少しずつ入れてみる。
たぶん残すだろうなと予想していたのだが
珍しく器は空になって戻ってきた。
「肉食べたの?」
「うん。食べられたよ」
何という達成感!
きっと本人も同じだろう。
食べられるってありがたいことね。