ほとんど口を開かない父が
ときおり急に昔話をし始める戦慄。
ああ もうそういう時期かしら と。
「長年の水虫がやっと治ったと思ったら寿命」とか
「呆けていたはずが急にしゃんとしてきた」とか
よく『最後のサイン』をいろいろ聞く。
父は他人が見えないので
長年何から何までマイペース。
それなのにこの頃は
私の顔色をうかがったり
空気を読んで態度を改めたり
まるで普通の人に戻ったみたい。
人は最後はゆがみが全部取れて
普通の人に戻るのではないかという
仮説を立てているのですが
もしや本当になるかもしれないと
日々思いつつ。