こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

逃げなかった人

車いすの扱いも分からなかったので

最初は赤十字の介護講習を受けに行った。

 

その時の講師の女性が話の合間に

ご自身の介護体験を話してくれた。

 

25年間、義父の介護を一人でやったのだという。

親の面倒は嫁の仕事と、夫も手伝ってくれない。

介護施設介護保険もない時代。

徘徊する年寄りを追いかけまわしていたのだと。

 

嫁に介護義務はない。

それなのに25年一人で介護させられた…

そういう時代だったのだ。

そして逃げない人だったのだ。

 

私は自分の現実が辛くなると

いつもこの先生の話を思い出していた。