こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

かおりのない世界

父は数年前から鼻の機能を失っている。

食べ物のにおいがしないのだという。

なので ゆずを絞ったり 薬味を並べたりしても

あんまり意味がなかったりする。

 

以前見た味覚障害の方のドキュメントでは

毎日砂を食べているようだと嘆かれていた。

そんな感じなのか と聞いてみても

「味は分かる。甘いのも辛いのも酢も塩も」

 

ただにおいだけが分からないのだと。

コーヒーを入れてもあの立ち上る良い香りが

感じられないのだという。 

 

かおりがないと味もしないのでは?と

思うのだがどうなのだろう。

ただものすごく弱く感じるのでは…?

 

なので父が喜ぶのは

色合いがきれいにできたメニューのみ。

 

そっちのセンスがない自分には

よりによって難易度が高い。