横断歩道の向こう側に見えるのは
地べたにべったりと座り込んでいる高齢女性。
足が痛くて信号が変わるまで座っているのかな
と思いきや青になってもべったり座りこんだまま。
「渡らないの?」
近づいて声をかけてみるが
カバンの中をひっかきまわしながら
「ケータイどこだ」「警察呼んで」と
独り言に忙しく声は届いていない模様。
困ったなと思ったら一軒先の店舗のガラス戸が開いて
「声はかけないほうがいいよ」と
何やら深刻そうな表情。
これまでも何人も同じように
声をかけた人がいたんだろう。
ずっとガラス戸の中から
見守っていたのかもしれない。
あるいはすでにどこかに連絡して
対応済みなのかも。
了解のサインを出して私はその場を離れる。
この頃街中で困っている高齢者が
増えているような気がする。
どうしてみんなひとりぼっちなんだろう。