急性期病院のあとに入った老健は
明るい光がたくさん入る部屋で
職員の方もどの方も本当に親切で
この上なく良い環境でした。
当時まだ歩けた母と手をつないで
回廊型のフロアをぐるぐるぐるぐる
母の気が済むまで歩き続けたのは
数少ない幸せな記憶。
冬には廊下の突き当りの窓から
真正面に富士山が大きく見えて
いつも入所者さんが集まっていました。
面会を終えて帰るときはいつも
なぜ私が「帰っていく」のかが分からない母は
職員の方とエレベーターの前で心細そうに
「???」という顔をしていたのが忘れられません。