病院で母の死亡退院手続やら
もろもろが終わり深夜3時半。
父と二人 住宅街でさてどうやって
タクシーを呼べばいいかしらと
困っていたところに一台の空車!
すかさず手を挙げたのだがなんと
目の前を通り過ぎてしまった。
この時間に年寄りと女が
歩いているなんて怪談話。
そりゃあ逃げたくもなるだろうとがっかり。
ところが少し先でその車は止まっている。
乗せてくれるのかな?
年寄りのペースで近づいたらドアが開く。
「さっき手を上げましたよね?」
見えなかったことになっていたが
運転手の困惑はまだ顔に出ている。
乗り込んで行き先を告げてから
事情を説明しようかと迷ったが
むしろその方が怖がられるだろうなと思って
黙っていた。
運転手はしきりにバックミラーを覗いている。
「振り返ったらシートが濡れてて誰もいなかった」
なんてことがないように。笑