こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

電話の声

もう20年ほど前のこと。

都内にいた私は大晦日を近所の方々と

年越しをしてから帰宅。

さて寝ようかしらと思っていた

朝6時頃一本の電話。

 

父からだった。

「おかあさん 倒れちゃったよ」

 

この時の父の声は鮮明に覚えている。

千鳥足で帰ってきたはずだったが

全身の血が逆流するように酔いが吹き飛び

救急車で運ばれたという病院へ急ぐ。

 

数か月前にも運ばれたばかりで

二度目の一過性脳虚血発作だった。

幸い後遺症も残らずに退院。

 

その後認知症を発症した頃にも

興奮しすぎて夜中に倒れたことがある。

 

最終的には病院の中で意識が消失し

その後昏睡が続いてからの最後となった。

 

あのお正月の朝にかかってきた電話を

最近になってふと思い出した。