家から出ない母を病院に連れて行くのは
常に難題だった。
特に認知症の症状が出始めてからは
拒否が強くなり 暴言暴力も加わって
命がけの闘いになることもしばしば。
何度か諦めて私一人で代理受診に行った。
内科では薬を持ち帰るだけだったが
精神科では普段本人がいるときには
話せないことを先生とじっくり話した。
そのとき先生の一言。
「こういう機会を利用してくださいね」
介護者が精神科医に話を聞いてもらう機会はない。
病院によっては家族会などあるけれど
基本的に一人ウツウツと
気持ちを溜め込んでしまいがち。
話を聞いてもらうということが
こんなにもありがたいことかと実感した
わずか数回の代理受診。