こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

【本】親を棄てる子どもたち

「親を棄てる子どもたち」新しい「姥捨山」のかたちを求めて

大山眞人 平凡社新書 820円+税

 

受けた恩を親に返すという考え方がないのは

なぜなんだろうと考えていた折タイムリーな一冊。

介護放棄は現代型姥捨なんだな。

 

著者は若い頃から親の介護をして

現在は高齢者サロンを運営している。

行政や病院、福祉の現場の方々のご苦労を紹介しながら

それでも手の出せない生活のこまやかな現実に

自由に動ける立場として積極的に関わっていらっしゃる。

 

様々な老いの在り方 家族のかたちについて

温かく心のこもったていねいな触れ合いを

続けてきたことがとてもよく分かる事例紹介の数々。

 

遠野物語デンデラ野や同潤会アパート

常盤平の松戸孤独死予防センターのサロンを模したことなど

読んでいてうっかり「これ私が書いたかしら?」と

錯覚するほど近しい感覚ばかりで

感動しながら読み進めた。

 

「そういえば両親介護に入る前は

 私もそこを目指していたんだった」

と目が覚めるような思い。