父がぽつりぽつりと思いを口にするように
なったこの頃。
ふと「私のことはどう見えているんだろうな」と思う。
自分の身体が思うように動かなくなってきて
記憶も気力もおぼつかなくて
その小さなほころびの一つ一つを
すくいあげて拾っていく私の存在は
父の目にはどう映っているんだろうか。
知らないことは分からないし
見えていないものは知らない父。
見たことのない私の関わり方は
どんなふうに思うんだろうな。
見えない部分が大部分の「家での仕事」は
父には生涯分からないかと思ってたけど
本当は全部分かっているのかもしれない。