こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

どしゃ降りのバス停で

ゴロゴロからのポツポツ来たなぁと思っていたら

病院を出てバス停に着くころには

視界がかすむほどのどしゃ降り。

晴雨兼用の傘では心細いほど。

 

ところが屋根のないバス停のベンチには

ずぶぬれのまま座っている高齢男性と

その横でオロオロしている高齢女性が。

 

「急に来ましたね」と

高齢男性の上に傘をさしかける。

「バス?」「はい。待ちます」

あと3分くらいで来るはずなんだけど。

 

雨脚がさらに強くなって

高齢女性もたまらずに

「すみません入れてもらっていいですか」

と走ってきた。

 

私の小さな傘に3人が肩を寄せ合う。笑

 

病院前のバス停なんだから

屋根くらいつけてよねぇなどと悪態をつきながら

早くやまないかな

早くバスが来ないかな

と三人でくり返す。

 

たった5分ほどだけど長い長い時間。

 

小雨になって陽が射してきた頃に

バスも到着。

 

ありがとう

助かったわとそれぞれ乗って一息。

 

駅についてバスを降りたら

先の高齢男性が待っている。

「あのね病院の売店でパン買ったの。

 甘いのとどっちがいい?」

 

どうやら傘のお礼に

お昼に食べるパンを私に渡そうとしている。

「お気持ちだけいただいておきますね」

「そう?」

「また病院で会いましょう。風邪ひかないでね」

と言って手を振る。

 

待っていてくれてありがとう。

その気持ちが 何よりうれしかった。

 

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