いつもカバンを探していた。
すぐ傍らにあっても
「ないないカバンがない!」と騒ぎ
見つけると中身を確認するくり返し。
一人で出かけることが一切なかった母は
買い物はたいてい通販だった。
デパートのカタログを届いた日から眺め続け
何日も何週間も迷った挙句に
一つ二つ買うのが常。
それはたいそう大事にして
認知症が始まってからは探し回り
老健ではOKの出ない持ち物なのに
無理を言って持ち込ませてもらう。
そして持ち歩いてあちこち置き忘れて
結局取り上げられるという。笑
そのくらい大好きだった母のカバン。