今は寝たきりの父だが
少し前までは夕方階段の上り下りをしていた。
共同住宅が初めての人なので
他人への配慮ができず常に火種を持っており
発火する前に鎮火させるのが必須だった。
ある日薄ら笑いで帰ってきたので
なんかやらかしたなと直感。
「間違えて下の階の部屋を開けようとしちゃった」
ああついにここまできたか。
その部屋に鍵がかかっていたからよかったようなものの
もしも開いていたらうっかり入ってしまい
警察を呼ばれる案件。
神経質な理事会の方々を巻き込んで
大騒ぎになるだろう。
以降ドアノブのくぼみに
部屋番号を書いたシールを貼った。
後は父がそれを「確認できるかどうか」が問題。