高齢になって認知症を発症して
まわりにさんざん手間をかけていくのは
「私を忘れないで」
と誰かの心に引っかき傷を残していくため
じゃないだろうかとこの頃は思う。
死への恐怖を分からなくするために
認知症になるのだという説を
ずっと信じていたのだけれど
ひとりぼっちで心もとなく
さみしそうな姿を見るにつけ
やっぱりみんなと一緒にいたいんだな
ずっと一緒がいいんだろうな
と思うようになってきた。
そう思ったら
大変な周辺症状でさえも
せつなくいとおしく見えてきたり。