もう16年も前になるが
一人旅に行ったことがあった。
その頃はいろいろあって
生きることに自信を失いかけていて
自分のルーツを確認したかった。
母に地図を描いてもらい
祖父母が眠る墓をはるばる訪れた。
父の祖父母の墓は
子どもの頃の記憶がまだ残っていて
すぐに見つけることができた。
帰りに立ち寄った
かなり長いこと池を眺めて泣いていた私は
お寺の方に
「ご自身と向き合われたのですね」
とそっと声をかけられた。
その言葉のあたたかさは
今でも耳に残っている。
いのちはずっとつながって今がある。