こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

汽車を待つ

病院も廊下は回廊型で

人があまりいない奥の角に

母は一人たたずんでいることがありました。

 

ちょうどそのタイミングで面会に行ったときには

看護師さんに教えられて私が迎えに。

 

「どうしたの?」とたずねると

「汽車を待っているの」と母。

 

カバン見ててくれる?とか

下の子(私)がいなくなって探しているの

など話は広がって

とてもリアルな駅での一場面。

 

みんなで田舎に帰省した帰りの記憶。

私には残っていない記憶が

母にはただひとつ残っていたのでした。