こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

においの記憶

自分は視力が弱い分

嗅覚は強く記憶と常に連動する。

 

母が入院していた病院は

フロアや場所ごとに独特のにおいがあった。

 

病室があった棟に入るとまず

トイレが近いこともあり強いにおい。

 

そのもののにおいではなく

処理後のたんぱく質が分解したそれと

使用した洗剤と消毒液が混ざったような

イヤではないが快適でもない

なんとも言えない珍しいにおい。

 

スガシカオさんがお父様との最後の季節を

「木曜日、見舞いに行く」という曲で

院内のにおいまで歌ったまさにあの情景。

 

毎週末 通うこと6年強。

そのにおいは母の記憶の一部となり

病院を思い出すときには必ずついてくる。

 

今ではむしろ懐かしいほどに。