病院に着くと職員の方がいつもより慌ただしい。
私の顔を見て説明に飛んできた看護師さんが
「意識が混濁しています」
常々思っていたのだがなぜ医師や看護師は
「もう長くない」「家族を呼んでください」
というタイミングが分かるのだろうかと不思議だった。
先日 看護師であり僧侶でもあるという女性が書いた
看取りについての本を読んだとき
人の体に起きる変化が明確にあるということが
具体的に書かれていて納得した。
いつもより息苦しそうな母の目に
一瞬だけ何かを訴えるような光が宿り
私としっかり目が合った。
自宅に戻った私の携帯には
その日の深夜「今すぐ来てください」
という電話が入った。