日々の介護でどれだけの憤りを飲み込んで
そのために自分の体調を崩すことが続いても
「私が手を放すと生きられない人がいる」
という事実には逆らえない。
かつて若さゆえ怒りのあまり
私が手を放してしまったところ
その人はあっけなく世を捨ててしまった。
人の心のもろさを突き付けられて
今なお「本当はどうすればよかったのか」を
問い続けている。
せめて自分を生み育てた人くらい
がっぷりと四つに組んで
きちんと最後まで向き合い続けることが
人としてごく自然なことに思える。