先日夜から降り出した雨は
夜中には突風を伴う嵐になった。
一度寝たら起きない私でさえ
窓を叩く雨の音で眠れなかったほど。
朝になっても弱まることなく
昼になってようやく陽がさしてきた。
ベランダが惨状になっているだろうと
のぞいてみるが不思議なことにいつも通り。
飛んでいったかもしれないと心配した
サンダルさえきちんと揃っている。
父が秋になってから種をまいた
エンドウの鉢は
それぞれ15センチほどの丈に伸びて
白い花をたくさんつけはじめていた。
せっかく育っていたのに雨で全滅?
と思いきやまったくの無傷。
一本も痛むことなく
昨日と同じ白い花を湛えている。
「折れなかったの!すごいね」
父に言うとなぜか自信満々に
「しなるからね」
柳の枝は強いみたいな訓示かしら。
そのあとジュリアンの花にたまった雨を
父は黙々とていねいにはらっていた。