黒澤明監督の映画「夢」のDVDは
今でもときどき思い出したように見ている。
オムニバス作品なので最後の
「水車のある村」だけをくり返し流して。
90歳を超える老人が
村の幼馴染の葬儀に参加する。
皆派手な衣装に身を包み
音楽隊が先導し
村人が全員踊りながら歌いながら
列をなして墓場まで行進していく。
そういう風土もあるんだろうと思いつつ
どこか受け入れがたかったこの葬儀のかたち。
でも今はなんだか憑き物が落ちたように
すごくよく分かる。
主人公のセリフにもあった通り
ちゃんと生きて ちゃんと死ぬ。
それはとても「めでたい」ことだと思える。
それはたぶん
ありとあらゆることを共有し体験して
むずかしいと思えたこころの通い合いすらも
叶うようになったから。
ちゃんと課題を全部クリアすれば
達成感はやってくるものなんだな。