母の病の影響で
長年家の中は混乱の極致にあったから
他の家のことを知る暇すらなかった。
最近になって
両親の古い手紙や写真を整理しながら
ああそんなことがあったのか
あの人はそんな性格だったのか
などと初めて知る。
確かに
親戚の家の中のことなんて
そういえば全然知らないもんな。
母の長年の病気のことを話せたのだって
つい昨年のことだし。
あまり派手な変化のない家の中のことは
分からないものだな。
うち以外はどの家庭も全部
幸せいっぱいなのかと思っていたけど
そういえば離婚も何組もあるし
再婚した夫をすぐに亡くし娘は自殺
という波乱万丈の人生もある。
昨今メールをくれる人も
家の中ではうちの母に負けないほどの暴君で
兄弟の悩みの種だったってことが
今頃になって分かってきた。
それであちこちの関係性がおかしいのか。
「うち以外はみんなまとも」
って思いこんでいた私の先入観が
実はいちばん間違っていたらしいと
気付かされてしまって
それはそれで複雑なこの頃。