母が入院して一番驚いたのは
病室に何も持ち込めないこと。
その後入った老健でも同じく
小さな引き出しがひとつ増えたくらい。
ああ モノはいらないのか。
家にいるときには目に入るすべてに意味があって
それらすべてがまるで母自身の一部のように
必要なモノたちなのだと錯覚していた。
でも全部置いていっても母は困らず
母は母として確かに存在していて
あれだけ執心していたモノは
一つもいらなかった。
本人だけがいればいいんだ。どこにいても どんな状態でも
モノはあくまでも「オプション」なんだな。