こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

全体を見渡す

両親とも昔から

「自分の知っている世界がすべて」で

新しいことを学ぶでもなく

半径1mくらいの情報量で

とても狭い世界を生きていた。

 

自閉症認知症のせいかもしれないが

高齢になるということは

どうしたってさらに世界が狭くなるのは

やむを得ないのだろう。

 

介護するということは

かつて「親」として君臨した人たちの支配下を抜け

その人の視界を把握しながら

全体を見渡してよりよい選択を

代わりに決めていくことなんだろうと思う。

 

どんどん狭くなる視野と口数と

少しずつずれてくる言葉に

日々対応を変えながらも

なんとか父の全体を見渡せるように

アンテナを伸ばし続けることは

まあまあ わりと鍛錬の毎日。