介護生活の時間で
一番大きな割合を占めているのは
「待つこと」かもしれない。
起きるのを待つ
着替えるのを待つ
席に着くのを待つ
食べ終わるのを待つ
出かける準備を待つ
靴を履くのを待つ
歩くのを待つ
病院で待つ
とにかく日がな一日待っている。
せっかちな自分がこれだけ待つことができるのは
父を最優先にしているためだろうと思う。
優先順位が介護の外側にあったなら
「待つ」ことが無駄に思えたり
苛立ちはやがて本人への憎しみに変わると
危惧していた。
社会はスピード重視で
忙しく待たない人であふれている。
そこに放り出される高齢者は孤独だろう。
だから私はとことんまで
どっぷりと同じ世界にいることに決めたのだ。