親戚が遊びに来ると
母と父のなれそめとか 結婚前の様子とか
「自転車の乗り方教えてくれたよ」
なんて意外な話がスラスラと出てきてびっくりする。
第三者による記憶の意味とその広がりたるや。
父は私が聞いても何一つ語らないし
母は晩年病気の影響でネガばっかりだったので
二人の人生はあんまり良いものではないと
思い込んでいた。
でも私が知らないだけで
そうでもなかったのかもしれない。
とらえ方ひとつで
事実は光にも闇にも変わる。
この頃母の存在が遠くなるにつれて
思い出が一つずつ明るい方に反転し始めている。