こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

あと5分

夜中の電話で飛び起きて

母のいる病院に向かう。

 

いつもは解放されている病棟だが

どこも閉まっていて入れない。

かかってきた電話番号に電話をかけると

別の担当がとったらしく話が通じない。

 

「病棟が開かないんです。電話もらったんです。

 すぐ入りたいんですけど」

ハラハラしながら入り口で父と待つ。

事情を分かっているらしい方が

あわてて開けに来てくれた。 

 

 

しばらくして院長から説明を聞く。

「00時04分に心電図が平らになって・・・」

長い説明だったが私の意識は

すでに違うところにあった。

 

だって私たちはその時間

とっくに着いていたのに。

電話の発信時間は

それよりずっと前なのに。

 

最後まで母をひとりぼっちで逝かせてしまって

本当にすまなかった。

 

あのタイムロスを

どうすればよかったんだろうかと

いまだにくり返し考える。 

 

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