認知症の方と接すると
最初は身を反らせて警戒するが
そのうちに自然に話をしてくれる。
あの
何かがなじんでいく感じが好きだ。
顔を覚えたわけでもないようだし
前回の記憶が残っているのでもなさそう。
ただ雰囲気とか空気感みたいなものは
いち早く察知して識別しているように見える。
言葉や顔に出さなくても
こちらの考えが伝わっているような
だからこそごまかしができない緊張感が
けっこう好きだ。
何かの本で読んだのは
「嫌いな看護師さんがドアを開けただけで察知して怒り出す」
という認知症患者さんがいたらしい。
これを読んだときに
ああ誠実にていねいに接することを
いつも以上に心がけよう
と思ったものだ。
たぶん認知機能が落ちている代わりに
どこかのセンサーが過敏になっているんだろうな。
だからこそ
ちゃんと話してもらえるようになると
信頼してもらえたようですごくうれしい。