中島義道さんの55歳成人説。
どの著書に書かれていたのか
たくさん読んだので忘れているが
55歳成人説はすごく同意して印象に残り
いまでもそうだと思っている。
つまり人として人格の成熟が完成するのは
55歳あたりだということ。
落語でいうならご隠居さんの年。
脳機能の本を読んでみても
21歳くらいまで脳はまだまだ動物的で
そこから先どれだけ人間になるべく
成熟を目指して努力したかが
若い頃「こういうおばちゃんになりたいなぁ」
と思っていた人がいた。
誰とでも仲良くて世間話が盛り上がり
それでいてスッと人の心に寄り添ってくれる
あたたかい受け皿みたいな方。
当時20代だった私は
目の前のことにいちいちてんてこ舞い。
そんなとき用もないのに
そのおばちゃんの横に座って
なんやかんやと話すのが
本当に救われた時間だった。
ああいうおばちゃん力が
早く私にもほしいなぁと思いつつ
30年近くが過ぎた。
気がつけば私も来年は
中島義道さんの言うところの「成人」。
当時のおばちゃんの年齢くらいになる。
あの方のようにあたたかく
誰かの心を救えるような
人としてのふるまいが
果たして私は来年
できるようになっているんだろうか。