こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

父の引き出しから

父の引き出しを片付けているとき

私が書いた手紙が出てきた。

 

父の還暦祝で

両親に京都旅行をプレゼントしたときの

メッセージカード。

およそ30年近く前のこと。

 

私が東京に出るまでは

毎月両親を食事に連れて行ったし

私が行ったことのある観光地には

「すごくよかったから」と

こうして強制的に両親を旅行に向かわせた。

そうでもしないと出かけない人たちだったから。

 

そんなこと私はすっかり忘れていた。

 

この引き出しの中身は

8年前に実家処分で転居してきたとき

父が自分で整理したもの。

 

ということは

引越作業の間にも

わざわざこの手紙を大事に持ってきて

なおかつ引き出しに入れておいたってことだ。

 

そう 父はこういうところがある。

記憶力が抜群に良かったので

誰がいつ何をしてくれたのか

ってことはちゃんと覚えている。

 

お礼を言ったりお返ししたり

ってことはほとんどなかったけど。w

 

ここにきてからは

父の日も誕生日も敬老の日も年末年始も

米寿も卒寿も

全部きっちりとお祝いした。

それも父にはきっと

良い思い出になっただろう。

 

父が書いていた膨大な日記には

天気と野球の話ばかりで

私の名前すら出てこないのに

こういうかたちで考えていたことが分かるって

意外だけれど 悪くない。

 

親戚も皆

話せば話すほど喜んでくれる。

「娘がいてよかったね」。

 

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