なかなか記憶のフタが開かなかった
急性期病院の入院時。
決死の覚悟で連れて行ったのに
翌日冷や冷やしながら面会に行くと
母はニコニコと穏やかに歩いてきた。
あの日のうれしそうな顔は今でも覚えている。
前日母の対応をしてくれた
身体の大きな男性看護師さんも
「ね?こんなもんですよ」ってにっこり。
私は文字通り腰が抜けた。
父はその夜から寝込んでしまった。
長い長い闘いが終わった瞬間だった。
再び近くの病院に行く用事が出来て
つい昨日のことのように思い出した。