母はいつも家の中でプリプリしていた。
よく分からないけど不機嫌だった。
気が付くと私も最近いつもプリプリしている。
「なんで私ばっかり」
「たまには休みたいわ」
って思っているからだ。
母が怒ってたのもこれなんだな。
先日洗い物をしながらふと思った。
なぜ人に食事を作らせて掃除をさせて
洗い物をさせておきながら
手伝おうかのそぶりもなく
申し訳ないとも思わず
目の前でテレビを見て
ぼんやりしていられるんだろう
って思ったときふと
「私も子どもの頃は
母にはそんな態度だったな」と気が付く。
ちゃんと感謝を伝えてなかったかもしれない。
その膨大な家事の量に。
やってもらうのはあたりまえ。
いつものことだから。
母親のツトメだから。
つまり私が今やっていることは
母親業なんだ。
老いてきた父の
妻役としての仕事はすでに終わり
もう「母親」役なんだな。
男は誰かのために生きることを
一度もやらないのねと失望していた中
最近出会う男性はみな家事も介護もできてなお
他人のいのちに尽力している人ばかり。
つくづく私は家族運が悪かったんだな。
今まではね。