このところ書店で向田邦子さんの本が
よく目につくなあと思っていたら
没後40年なのだとか。
理想の家族を描いているようでいながら
個々の心の中をこまごまとあばき
それぞれの想いをむき出しにする筆は
何度読んでもうなるばかり。
料理や書や焼き物はもちろん
人形町に暮らすことも
文の書き方も多大な影響を受けている。
生き方も考え方もシャープでカッコいい。
それでいて家族や恋愛や人間関係の
どろどろしたドラマを徹底的に描く。
この時代に彼女が生きていたら
いま断絶を余儀なくされている人々の心を
どんな風に描くだろうと考える。