「子どもの頃は動物を愛で
次第に花や植物になり
最後は石を愛でるようになる」
という話は昔から知っていたが
あまりピンときてなかった。
なぜ年寄りは皆
神社仏閣をめぐったりするのかと
不思議に思っていた。
でも今まさに年寄りの側に来てみて分かる。
体力の低下に比例して
幸せを感じることが増えるのだ。
欲を満たしたり競争に勝とうなどと
思わなくなり
一人静かな満足や穏やかな心のふれあいこそが
充実感になる。
いくつになっても賑やかな人たちとは
距離を置きたくなるし
自分なりの死生感を語り合いながら
寺まわりするのはもはや自然。
やっぱり年寄りには年寄りだけの
枯れゆくことを肯定し楽しみながらいられる
幸せな場所があってしかるべきなんだなと思う。