日がな一日母はキレまくっていて
父も私もかわすのに必死
という家の中だった昔。
誰もが落ち着かず
皆が散り散りに外へ行ってしまっていた。
母が亡くなりその習慣が
ようやく消えたこの頃。
部屋の中は穏やかで落ち着いて
安心できる場になった。
父もわがままを許されることにも慣れて
思ったことを素直に言えるように。
このところ父の食欲がないので
食べられるものが流動的。
これは入りそう?
これなら食べられる?
などといちいち聞きながら用意する。
ただ私はそんなに辛抱強くはないし
父はどんどん図に乗るタイプ。
この会話が長引くと私の
母モードにスイッチが入る。
口調が変わったのをすかさずキャッチする父。
急にシュンとなって黙り込み
出されたものをちゃんと食べる。
ほらやっぱり。
母モードって父には今でも必要なのかもね。