介護生活に入ってからは
いつ何があるか分からないので
年賀状は一切やめた。
それでもごく数枚はやり取りがあったが
その中の高齢者から
ついに喪中葉書が届いた。
少し前から妙だった。
電話も荷物も本人以外からの差し出しで
なんとなく「もういないんじゃないか」
という気配はあった。
逝去の三ヶ月前に
最後の手紙が届いた。
それはお金の無心であり
いろいろ書いてあるけど
本来私たちには関係ないこと。
でも私は「御見舞い」として
少し多めにお金を送った。
お金より本当は
会いに来てほしかったんだと思う。
顔が見たかったんだろう。
電話がかかってきて
それが話をした最後になった。
私も本当は会いに行きたかった。
でも介護があって動けずじまい。
最後の手紙が「金送れ」だったなんて
今思えばその人らしくもある。合掌