凄惨なニュースを聞いて考える。
嫁が義理両親の介護をするのは
「恍惚の人」の時代には当たり前で
その世代の経験者の話もあちこちで聞こえてくる。
今でも交流のある高齢の親類は
地方に嫁いだが若くして夫が他界。
夫の兄弟は家を出ているので
大きな古い家で義理両親と子供とずっと暮らした。
冠婚葬祭から何から完璧に仕切る働き者。
だが家を出た兄弟の一人であるうちの父を
もしかしたら快くは思っていなかったかもしれないな。
血縁なんだから本来の関わり方は
違っていたんだろうと思う。
父も母もそういうことには疎くて
相手から口にできる時代でもなかったし
波風を立てる性格の方でもなかった。
「あ ごめんね。運転中にうっかり触っちゃって」
その方からの急な電話に驚いて出たら
相変わらず明るくて救われる。