こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

音のない世界

父の耳がますます遠くなってきて

イヤホン越しのボリュームが

私には普通に聞こえるほどに。

 

私はあれこれ考え続けているのでできるだけ

音のない静かな時間を大切にしているが

父はベッドにもカセットテープを持ち込んで

けたたましくガチャガチャやっているので

ひそかに苦々しく思っている。

 

なんでそんなにも必死に

外部刺激を求めるんだろうかと不思議で

「音がないとダメなの?」と聞いてみた。

 

私のその言葉は珍しく聞こえたようで

返事が返ってきた。

「なんかさびしいから」。

 

耳が聞こえなくなっていくことは

もしかしたら結構な不安を

呼び起こしているのかもしれないなと

ちょっとだけ分かる気がした。

 

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