高齢者の食事を神経質に作り続けているせいか
ふと
「胃袋を握る」という言葉は奥が深いなぁと思う。
10数年前に
食品衛生責任者の資格を取ってから
食中毒には詳しくなって
調理の手順にも無意識に影響している。
知らない人はこれをやっちゃうだろうな
みたいなことを考えながら。
かつて街中で一般人に調理させて
失敗を笑う悪趣味なテレビ番組が流行ったけど
私は震え上がって全然笑えなかった。
胃袋を握るとは
単にほれたはれたというよりは
「いのちを預ける」に近いんじゃないかと思う。
例えば
どこのスーパーに行っても
入り口あたりで98円で山積みの食材が
実は生食がいのちに関わることは
店内のどこにも書かれていない。
書いたら全然売れないだろう。
そもそも生で食べる人はいないだろうけど。
料理を作るとは相手のいのちを
文字通りこの手の中に握っていること。
老いて動けない高齢者ならばなお。