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【本】「過剰可視化社会」

「過剰可視化社会」與那覇潤 PHP新書

まえがきより==============

なんらかの「答えを出す」タイプのポジティブ(積極的)な能力は、その存在を具体的な結果や実績、保有者のプロフィールなどで目に見える形にしやすい。しかし「なにが正解なのかわからない」状態を、むしろ安易な答えに飛びつかないことによって、自身と違う考えの持ち主とも相互に尊重しあいながら乗り切るネガティブ(消極的)な能力は、視覚化には向かないのです。(帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ』)

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オンラインとか何でもかんでもスマホを使う

というやり方を本当にこの先も続ける気?って

常々思っていたところにこの本。

 

歴史学者が精神医学の世界を体験して

現代の違和感を語るとこんな風になるのか

という視点の高さから見える言葉の数々。

昨今の違和感がストンとクリアに。

 

無機質でゼロか百で

瞬時に明快な答えが視覚化される

デジタルの世界。

すき間ものりしろも無駄な遊びもなく

情緒も揺らぎも選択しない自由すらない。

 

スマホもデジタルも脳に悪いし

人間にはあんまり向いてないツールなんだよ

って以前は大勢の専門家が本を出していて

私は片っ端から買い集めて読んでいるが

コロナ禍でその流れがバッサリ切られてしまい

この先人間らしい関わり方に

どうやって社会を戻すのだろうかと

思っていたところに明快な回答。

 

ただ今の二分法的世界に

違和感を覚えないタイプも少なくないと見える。

将来「1984」みたいな世界が来ても

彼らはあんがいラクなのかもしれない。

 

そういう人と我々とはもう

接点がないと割り切るしかないのだろう。

 

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