こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

父の足

まだ入浴は自分でできる父。

出てからこんなことを言う。

「太ももがこんなに細くなっちゃった」

 

この一年ほとんど外に出なくなったし

このご時世で一か月ほどこもり切り。

ペダルエクセサイザーで頑張っても

筋肉が増えるほどには至らず。

 

思い返せば母も太ももの変化は顕著で

病院内で徘徊しては転んでいたとき

家族同意で車いすに固定。

それからみるみる太ももは細くなって

最期二か月寝たきりの後ではもう

私の手首ほどしかなかった。

 

細くなった父の太ももより

それを見せられるようになった父に驚く。

あれほど自分の世界を触られたくなかった人が

パンツ一丁で娘に足をさらすとは。笑

 

父の老いはいつも

こんな妙なところに見えてくる。

 

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