母が最初に入院した病院の近くに
最近用事ができて通っている。
近くどころかその先だった。
母の記憶をたどり直す偶然が沢山。
もしかしたら当時のフラッシュバックで
気分が悪くなったり足がすくんだりするだろうかと
いろいろ構えていたんだけれど
さすがに10年経っていることもあり
重苦しい気分が湧いてくることもなかった。
記憶は癒えるんだな。
当時古めかしかった駅ビルもきれいになっていて
どうしても思い出せなかったバス停の名前も
まっすぐに見つめることができた。
昔は寄り道をする心の余裕すらなかったが
今は新しいコーヒーショップで
ゆっくりブレンドを飲んでから帰る。
もうあの頃は「過去」なんだな。