新しく買った文鳥用のわら巣に
虫がついていることが発覚し
一日がかりで大掃除。
そんな中でふと思い出す。
実家の流しの下からもこんな
おどろおどろしいものが
たくさん出てきたっけ。
何十年も前に着けた梅酒。
父が若い頃外国から持ち帰った酒壺。
漬物のような瓶詰と
忘れられている食用油。
片づけるのは本当に難儀だったんだから!
どうして忘れちゃうんだろうね。
作ったとき 買ってきたときは
みんなで楽しく飲もう食べようと
思ってのことだったはずなのに
それは叶わなかったのか
少しだけだったのか
「そのとき」を待ちながら朽ちてしまったのか。
母はいつも「そのとき」のためにしまい込んで
流しの下や押し入れの中には
そんな母の念がたっぷりこもっていた。