こころ遊多加な介護へ

暮らしといのち

思い出の答え合わせ

若い頃 まわりにいた人は皆

一回りも二回りも上の人ばかりで

それでも対等に話せたし

友達付き合いもできていた。

 

ただ 思い返してみれば

分からなかったのは加齢。

10年間に「はじめての老い」という作品を書いたが

それどころじゃなく日々加齢がのしかかる今は

ああ肉体ってこうやって朽ちていくのかと

あちこちの小さな変化を数える毎日。

 

身体が思うようにならなくなることに

苛立って人生を閉じてしまった作家もいるが

その気持ちは今ならよく分かる。

私も同じタイプだから。

 

当時のまわりの人たちのことを

思い出すにつれて

ああ あのときは体調不良だったのか

とか

どこか痛かったのかもしれないな

などと腑に落ちることが多くなった。

 

思い出の答え合わせ。

 

痛みや不安や体力を失っていくことや

そのことに対する驚きや悲しみのことを

当時の私はみじんも想像できなかった。

 

若いってもの知らずだな。

当時の私は早く年をとって

まわりの人に追いつきたいと思っていた。

 

追いついた今

あのとき見えなかったものが

たくさん見えてくる。

 

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